野 う さ ぎ 舎 の 想 い

住まいづくりについて


○ 自然環境との共生を軸にした住まいづくりをしていきます

 

人間は地球という惑星に暮らしている生き物の一種です。

その揺るぎのない当たり前の事実を、特に現代の私たちは忘れてしまっているようです。  

その結果、いろいろな場面で今の地球環境を脅かす事態がたくさん起きています。

  

建築という分野においても、加担している現実がたくさんあります。

建築設計業を仕事とさせてもらっている立場である自分ができることはなんなのか。

そこをずっと考えてきました。

 

そうして思い至ったこの理念は、これから建築に携わっていくにあたって

なにより重要度の高い視点だと考えています。

  

  

 現代の世の中で、改めて自然への畏敬の念を持ち

 そのスピリットに沿った建築を造っていくこと

 

 自然への畏敬の念を冠において

 あらためて人間の暮らしを捉え

 構築しなおしていくこと

 

  

地球環境が豊かでないと、私たち人間はどんどん生き辛くなっていきます。

私たちの代さえよければいい、という考え方は、もうやめていかなくてはいけない時にきています。

  

自分たちの子や孫たちが、さらにその先の人たちが今よりも暮しよくなっていくように。

 

人間以外の生き物たちが豊かに生きていけるように。

  

この2つはイコールだと考えています。

野うさぎ舎ではここを根本的な軸として仕事をしていきます。

 

 

具体的には、自然のサイクルの中で循環していく建物をつくっていきます。

  

たとえば、

・役目を終えたときに土に還る建築材料を使用する

・生産エネルギーコストの低い建築材料を使用する

・それに伴い施工にかかる時間と労力に意義を持つ

  

課題は多いですが、

現代だからこそできることがたくさんある、という前提のもとに

工務店さんや職人さんたちと協力して、知恵を出し合いながら実現していきます。

 

 

  

○ 住まいの美しさには必ず裏付けがあります

 

長い間

住まいの美しさとはいったいなんだろうか?

という問いと向きあってきました。

 

デザイン性が高いとされる住宅に

芯の通った美しさがあるかどうか、首を傾げてしまうことがあります。

 

一方で

一見何の変哲もない日本家屋に

とてつもなく深い安心感と美しさを感じたりします。

 

デザインっていったいなんなのでしょうか。

美しいっていったいどういうものなのでしょうか。

 

 

今私が持っているこの問いへの答えは

  

美しさには必ず裏付けがある

 

ということです。

 

住まいの美しさにおけるその裏付けとは

たとえば

 

暮らしにそっているかどうか

五感にそっているかどうか

環境にそっているかどうか

 

技術にそっているかどうか

知恵にそっているかどうか

自然にそっているかどうか

 

それらに

住まいを求める人、造る人が真剣に向きあえているかどうか。

 

 

人によって当然好みは違いますが

好む好まないの範疇を越えて共有することのできる美しさは

どの人の心にもかならず響き、沁みこんでものではないかと思っています。

 

そんな住まいに暮らすということが

本当の意味での充足感につながるであろうと考えています。

  

 

そんな美しさを住まいにたたえられるよう

心に思いながら

仕事をさせてもらっています。

 

 

 

○ 日本の風土にそった家づくりをしていきます

 

日本は温暖湿潤気候に属しています。

世界の中でも四季がはっきりとしており、この気候から日本特有の繊細な文化や感性が培われてきました。

 

日本列島は南北に長いので、一概にはあてはまりませんが

日本では梅雨の頃から秋分の頃にかけて蒸し暑いのが特徴ですね。

暑くなる時季に湿度が非常に高くなることが、人間にとっては一番過ごしづらい状況であるといわれています。

 

吉田兼好の徒然草でも「家のつくりようは夏をむねとすべし」とあるように

風通しがよく、調湿性の高い素材が多用してある昔ながらの日本家屋はとても理にかなった工法であるといえます。

 

また、東洋医学の捉え方として、

人間の身体は冬の寒さによって生命力を蓄える機能があると考えられています。

蓄えられた生命力が、春から夏、そして秋の時季を快適に生活する活力になっていくということです。

 

上記の見地からいくと、空調管理されて一定の気温でありつづける室内が多い現代では

身体が強くなれない環境を造り出しているともいえます。

 

一昔前の人たちはクーラーがなくても、家が高気密高断熱じゃなくても、生きていくことができました。

だから私たちが存在できているわけです。

現代に生きる私たちも同じ身体のポテンシャルを持ち合わせていると考えられないでしょうか。

 

   

地球の営みを人間が変えることはできませんが、

私たちが価値観や暮らしを地球環境に沿わせながら

今の技術をもってして

私たちの快適さをつくりだす工夫はいくらでもできます。

 

住まいづくりもそのひとつです。

 

人工的に守りすぎるというのでもなく

暑さ寒さをガマンするのでもなく

 

暮らす人の個性や住まい全体のバランスを見ながら

日々の暮らしの中で季節の移り変わりを五感で感じることができるように

 

暮らす人の生命力がみちていくように

住まいに様々な工夫をしていきます。

 

 

 

 住まいづくりでの「地産地消」をめざしています

     

住まいづくりで実践できる「地産地消」は

 

・建築材料を近郊で手に入れられるものを積極的に使用する

・地域の職人さんたちに腕をふるってもらう

 

大きくはその2点であると考えています。

 

昨今では食の世界などで「地産地消」の動きが活発になっていますが

建築の分野でもその点にフォーカスすることは重要なことであると考えています。

地産地消をこころがけていくことが、地球環境に負荷をかけないことにつながるのと

地域の産業と経済が循環していくことになります。

 

家が造られる建築材料がどこでどのように造られているか。

無数にある様々な建築材料の素姓をすべて把握するのは難しい部分もありますが

家づくりにおいてその点を把握し、施工業者さんとともに何を使っていくかということを

大切に選んでいきたいと考えています。

  

たとえば木材は国産であることは必須で

さらに建築地に近い地域の木材を使用することをめざします。

 

同じ気候で育ってきた木々が家の材料になっていくことは

家の強さにも効力を発揮します。

水が合う、というような表現にあらわされるように

木が木材になっても、素直なコンディションでいられることになるからです。

 

また、国産木材においては

戦後の外国産木材の完全輸入化や高度経済成長を経て社会構造が大きく変化したために

日本の林業が瀕死の危機にあるという事情があります。

 

国産木材が輸入木材の価格に負けてしまい

その結果国産材が適正価格で売れないという深刻な状況が続いています。

 

ということは山を手入れする人たちが木を切り出すことや生活することができず

廃業が相次いでおり、山がどんどん荒れていくことになります。

人が植林した山は人が手入れをしないとどんどん荒れていくのです。

 

山が荒れていくとどうなるかというと、水害や山崩れの原因になっていきます。

果ては海への影響も起きてきています。

なぜなら山からしみ出した水が川になり、海へ流れていくからです。

 

目先の経済効果にとらわれた代償は、そのうち人間に大きく還ってくることになります。

  

一概には言えませんが、

針葉樹が建材としての木材になるためには30年ほどかかります。

林業はとても長い年月のスパンで循環することになるので、数世代にわたっての仕事になります。

その知恵や技術が受け継がれることなく失われていくことは、国家レベルでの大きな損失につながります。

 

そのような状況が建築業界の中でも様々に蔓延している現状があります。

  

建築に携わる私たちができることは

目の前の流通に流されることなく 

このような日本の豊かな宝物を適正価格で使っていくことだと考えています。

  

 

 

○ 日本古来から受け継がれた建築技術と知恵を活かした

  家づくりをめざしています

 

日本には、世界中を見回しても類を見ないほどの素晴らしい建築技術と知恵が息づいています。

 

昔から職人さんたちは

中国などからわたってきた建築技術を、日本の風土に裏打ちされた技術に変換しなおし

長い年月を重ねて独自の日本建築文化と技術を育てていきました。

 

現代の日本人には思いもよらない工夫や知恵が

実は今この時代にこそたくさん活きてくることがたくさんある、と考えています。

  

現代では風前の灯となってしまっている仕事もままありますが       

その家造りを体験されてきた世代の方々もまだまだおられますし、

そこを大切に家造りの仕事をしている職人さんたちもちゃんとおられます。

  

古来から脈々と受け継がれてきた建築技術を

できるところから活かしなおし、現代の住まいづくりにつなげていきたいと考えています。

 

 

 

○ 土に還る家づくりをめざしています

 

家が役目を終えたときのことまでを計画の要素として検討していきます。

 

極端な表現ですが、放置しておくとそのまま朽ちて土に還っていく家が理想だと考えています。

家の構成要素である建築材料が土に還っていくもの、もしくは低コストで再生可能なものを積極的に使っていくことを検討します。
    

昨今の建築事情では不燃や均質化を重要視する一方で、果ては埋め立てるしか方法がない建材を使用することが主流になっています。

使用後の処理が確立できていないものを使用することは、後世への影響を考えると非常にリスクが高いと考えています。

 

建物の安全性も当然重視しながら、さらに暮らしよい環境を後世へつないでいく方法を真剣に考え、実現させていくことが

家を造る者としての大きな任務のひとつであると考えています。

    

住まいづくりの話をしているのに住まいの終わりの話を持ちだすなんて、びっくりされる方もおられるかもしれませんが

家が役目を終えたときのことまで考えておくことは、住まいづくりにおいてとても大切なことである、

という共通認識を持ちたいと思っています。

 

 

 

○ 人と人がつながる

  にぎやかな住まいづくりをしていきます

 

住まいづくりは究極のチームプレイです。 

チームプレイだからこその面白さがあります。 

 

そこで一番の肝になってくるのは

施主さんと設計屋と工務店始め職人さんたちとの信頼関係です

 

私が理想と考えているのは

関わるすべての立場の人が、それぞれに当事者意識をしっかり持っているという関係性です。

 

それを造り出すには

役割分担はあってもすべての人が対等である、という姿勢です。

 

それぞれの立場に誇りを持てること、

互いに尊重できることが、住まいのできあがりに大きく影響するように思います。

 

  

そして

職人さんたちに限らず、家族、友人、地域の人々が、

どこかで家づくりに参加できることも、重要なことではないかと考えています。

 

昔の家づくりといえば、それが当たり前でした。

そうしていくことで、人同士のつながりが育っていきますし

技術の伝承がされていくことにもなっていきます。

 

そういったみなさんの力を借りることで

家に宿る力がぐんと増します。これは本当にそうなります。

 

 

そしてなにより、その家に暮らしはじめる施主さんたちにとって

家が造られていく過程を自分ごととして捉えていくことは

一番大切な仕事ではないかと考えています。

 

実際には工務店や設計屋におまかせいただく前提はありますけども、

家づくりに自身がかかわるということは

家に暮らし始めてからの家とのつきあい方がとっても親密になります。

家も家族である、という感覚と言ったらいいでしょうか。

それは施主さんにとっても、家にとっても、

非常にハッピーなことではないかと考えています。

  

そのためにどんなことができるか、

施主さんや職人さんと相談しながら、楽しい家づくりにしていきます。

 

 

 

○ 身の丈にあった住まい = 最高の住まい

  であると考えています

 

住まいをつくるということは、どなたにとっても一世一代の一大事業です。

みなさん本当にさまざまな望みがおありです。

 

だからこそ

自分たちの身の丈を知る、ということが重要になってきます。

 

身の丈を知る、ということは

自分たちにとっての真の豊かさを掌握することだと考えています。

 

よい住まいづくりにできるかどうかは

自分たちの生き方暮らし方をいかに真剣に捉えていけるかどうかにかかってきます。

 

私たちが提供できるのは、施主さんが嬉しく住みこなせる住まいを考え、現実にあらわしていくことです。

設計していくにあたって肝になっていくのは施主さんの人生に対する姿勢、暮らしへの考え方になります。

 

 

自分たちにとってはなにが一番大切なのか。

自分たちの暮らしはどうあるといいのか。

 

そこを検討するにあたってのヒントとして

雨露しのげれば、といった視点から住まいというものを捉えていってみるといかがでしょうか、

お話します。

 

現代では、様々な情報があふれているがゆえに、魅力的な選択肢がたくさんあるように感じますが

その中でも選ぶことのできるものは結局わずかです。

それだけに選んでいくことに意識的であることが問われます。

 

雨露しのげれば、から始めていけば

いろいろな要素の意義がわかりやすくなります。

 

そうして積みあげられた住まいは、いろんな意味でシンプルになります。

 

 

住まいに関してはシンプルであるということが、非常に重要な意味をもつと考えています。

なぜなら住まいは造られたあとには

必ずメンテナンスをしていくことになっていくものだからです。

 

シンプルであれば、メンテナンスもシンプルになりますし

暮らす人が住まいの成り立ちを把握できることで、暮らす人に主体性が生まれます

 

 

身の丈にあった住まい = 最高の住まいであるという信念のもとに

ご自分たちの身の丈が見えてくるようなサポートもしてまいります。

 

 

 

○ 住まいは暮らしの場であるという理念のもとに

  美しい住まいをつくっていきます

 

とっても当たり前のことじゃないかと思われるかもしれませんが

住宅の設計にあたっての要素は本当に多岐にわたっています。

 

「デザイン性」を重視した家の住み心地がよくないという現実もあります。

「見た目」だけがかっこいいのは、本当にかっこいいといえるんだろうか。

かっこいいってそもそもどういうことをさすのでしょうね。 

 

「デザイン」というものはそもそも何らかの機能が備わって初めてそう呼べるものだと考えています。

住まいというものは暮らしがまんなかにある建築物です。

住まう人が主体的にかつ豊かに暮らしを展開していけることがもっとも重要な要素です。

 

逆に便利さなどの機能ばかりを重視して、美しくない家ということにもしたくありません。

 

五感で感じるという要素では、目を養う、情緒が育つ、ということも人間にとって重要な要素だと考えています。

 

そういった意味で、

暮らしごこちのよい=生活感があふれる=美しい・楽しい

そのように結びつけて住まいを考え、つくっていくことを、いつも心においています。